「旅人の歌」
      作歌 中村 福治郎(2文甲)
      作曲 尾崎 巌  (3文甲)
      採譜 荻野 泉  (20理乙)



  1. 春なほ浅き曙を
    白露の光うるほへば
    ほのぼの霧の霽(は)るゝころ
    駅馬は旅舎(りょしゃ)の門(かど)に待つ

  2. いざ齢(とし)若き旅人よ
    路辺(みちべ)露のむすぶまゝ
    銀の鐙(あぶみ)に足かけて
    象牙の鞭を鳴らさずや

  3. あゝ何時よりか流浪(さすらひ)
    夢の望みに誘はれて
    ELDORADOの憧憬(あこがれ)
    (こま)の歩みを競(きそ)ひけん

  4. いざ吾伴侶(わがとも)の旅人よ
    月影淡きあさの空
    駅馬は門に待つものを
    行かばや同じ憧憬(あこがれ)