「西中寮々歌」
      作歌 八代俊雄 (2文甲)
      作曲 稲田扇二 (3文乙)
      採譜 荻野 泉 (20理乙)



  1. 全地を挙げて偸安(とうあん)
    快楽(けらく)にふける世の姿
    怪鳥(けちょう)一度(ひとたび)(羽ばたくはばた)かば
    嗚咽(おえつ)の声は地に満たん

  2. 文化は弱き薄衣
    バベルの塔の果敢(はか)なさや
    あゝ今にして陵南(りょうなん)
    健児の眉に愁あり

  3. 意気を生命(いのち)の我友よ
    晴れたる庭に進軍の ラッパ吹かばやたからかに
    ローレルの香を吹きこめん

  4. 雄魂抱く若き児は
    真理の炬火(きょか)をふりかざし
    天馬に駕(が)して流星の
    飛び交うもとに出でたゝん

  5. 濁世の闇は深くして
    煩悩嵐とすさむとも
    真理の学徒若き児は
    久遠の光身にぞ帯ぶ

  6. 邪悪の笛につどひては
    酒色の市によろめける
    痴人の夢をうち破り
    黎明の野にみちびかん

  7. 迷妄の霧ほのぼのと
    朝日のもとに晴れゆけば
    陵南の野はどよめきて
    凱歌は星をゆるぐべし

  8. 全地はかくて永劫の
    愛の光にほゝゑまん
    あゝかくてこそ自由の子
    意気のをのこはほゝゑまん