「西中寮々歌」
作歌 八代俊雄 (2文甲)
作曲 稲田扇二 (3文乙)
採譜 荻野 泉 (20理乙)
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全地を挙げて偸安(とうあん)の
快楽(けらく)にふける世の姿
怪鳥(けちょう)一度(ひとたび)搏(羽ばたくはばた)かば
嗚咽(おえつ)の声は地に満たん
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文化は弱き薄衣
バベルの塔の果敢(はか)なさや
あゝ今にして陵南(りょうなん)の
健児の眉に愁あり
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意気を生命(いのち)の我友よ
晴れたる庭に進軍の
ラッパ吹かばやたからかに
ローレルの香を吹きこめん
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雄魂抱く若き児は
真理の炬火(きょか)をふりかざし
天馬に駕(が)して流星の
飛び交うもとに出でたゝん
濁世の闇は深くして
煩悩嵐とすさむとも
真理の学徒若き児は
久遠の光身にぞ帯ぶ
邪悪の笛につどひては
酒色の市によろめける
痴人の夢をうち破り
黎明の野にみちびかん
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迷妄の霧ほのぼのと
朝日のもとに晴れゆけば
陵南の野はどよめきて
凱歌は星をゆるぐべし
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全地はかくて永劫の
愛の光にほゝゑまん
あゝかくてこそ自由の子
意気のをのこはほゝゑまん