交響組曲「嗚呼黎明」讚歌
            作歌 日高基男 (25 理乙2)
            作曲 赤松義夫 (19理 1)

[序  章]
  一、千里が原に正氣溢ち 緑の丘 (おか)に秋風 (かぜ)薫る
    今日八十の記念祭 懐旧盡きぬかの三年 (みとせ)
    葉蔭に集ふ友垣に  交響の寮歌 (うた)流れ行く
[第一楽章]
  二、静寂 (しじま)は冴ゆる會堂に 澎湃寄する樂 (がく)の音 (ね)
    我等が胸に迫り来る 黎明告ぐる「全寮歌」
    二十九年の哀歡に  調べ寂しき「別離の譜」
[第二楽章]
  三、櫻樹に語る過ぎし日の 若き希望と自由の詩
    年新しく年かさね   セーヌに注ぐ冽(きよ)き水
    大洋(うみ)を巡りて敷島の  日本(やまと)の岸にうち響く
[第三楽章]
  四、浪華の雅樂(がく)に氣は和(なご)み 西歐文化華(はな)競ふ
    英・獨・佛のまなび歌 旋律(しらべ)巧みに彩(あや)なして
    眞白き心汚れなく   また歸り來ん帝塚臺
[第四楽章]
  五、妖雲拂ひ虹を呼ぶ   偲ぶ母校の祭りの篝(ひ)
    若草萌ゆるかの陵(おか)に  淀の川原の夕堤
   「いちご」に匂ふ君が香(か)に 思ひは潔き早春譜
 
  六、眞理(まこと)を求(もと)む旅人の   學びを究(きは)む六つの寮
    朋友(とも)の友情(なさけ)は變(かは)りなく  秋冬(しゅうとう)嚴しグランドに
    勝利を誓ふ覇者の道  文武に勵む青春や
 
  七、帝陵創立八十年    校舎(まなびや)(な)くし四十(しじゅう)
    健兒幾百肩組みて   燎火(りょうか)とともに見送りし
    我が故郷(ふるさと)の三層樓   瞼の影に浮かび出ず
[終  章]
  八、この感動は何なるや  赤き誠心(こころ)の松風は
   「鳴呼黎明」を如何に問ふ 萬堂唱和(わ)する感涙に
    讚へよ朋輩(とも)よ矜持(ほこり)もて わが「大高」の榮光を
      盃あげていや高く わが「大高」の耀(かがや)きを