「雲紫に」
      作歌 三田英一(4文甲)
      作曲 堀田 健(4文甲)
      採譜 荻野 泉(20理乙)



  1. 雲紫に花紅く
    春日煙る帝陵の
    丘の若草萌ゆる頃
    自由の鐘の音はすみぬ

  2. 弦月西に冴えかへり
    人の世夢にふける時
    秋のあしたの傷心の
    詩を吟ずるは誰れが子ぞ

  3. 華城は空しく苔深み
    雄図よ今はいづくぞや
    たゞ幻の栄え匂ひ
    春夢儚く跡もなし

  4. 東亜の地図は血に染みて
    自由の光求めんに
    澱江河畔波荒く
    図南の翼今成りぬ

  5. あはれ弱者となるな勿れ
    名もなき道を行く勿れ
    若き男の子の血は燃えて
    思は聖く意気高し

  6. あした桜の紅の
    それにも似たる頬の色
    輝く著さ見よやとて
    若き命を誇らずや

  7. それ難波津の三星霜
    春永劫の春ならず
    歎くをやめて我が友よ
    只美(うま)酒に我と泣け

  8. あゝ茅海の夕の浪
    砕けて帰らぬ波のごと
    月の桂を折らんとて
    人去り時はふり行かん

  9. 熱涙我は血と泣きて
    高き望みにあくがれつ
    若き亜細亜の朝ぼらけ
    (あした)の鐘をつかんかな