「雲紫に」
作歌 三田英一(4文甲)
作曲 堀田 健(4文甲)
採譜 荻野 泉(20理乙)
-
雲紫に花紅く
春日煙る帝陵の
丘の若草萌ゆる頃
自由の鐘の音はすみぬ
-
弦月西に冴えかへり
人の世夢にふける時
秋のあしたの傷心の
詩を吟ずるは誰れが子ぞ
-
華城は空しく苔深み
雄図よ今はいづくぞや
たゞ幻の栄え匂ひ
春夢儚く跡もなし
-
東亜の地図は血に染みて
自由の光求めんに
澱江河畔波荒く
図南の翼今成りぬ
-
あはれ弱者となるな勿れ
名もなき道を行く勿れ
若き男の子の血は燃えて
思は聖く意気高し
-
あした桜の紅の
それにも似たる頬の色
輝く著さ見よやとて
若き命を誇らずや
-
それ難波津の三星霜
春永劫の春ならず
歎くをやめて我が友よ
只美(うま)酒に我と泣け
-
あゝ茅海の夕の浪
砕けて帰らぬ波のごと
月の桂を折らんとて
人去り時はふり行かん
-
熱涙我は血と泣きて
高き望みにあくがれつ
若き亜細亜の朝ぼらけ
朝(あした)の鐘をつかんかな
|