「鶏鳴高く」
      作歌 杉本農夫也 (3理丙)
      曲補訂 萩野 泉 (20理乙)



  1. 鶏鳴(けいめい)高く暁破る
    (あした)の風に霞は霽れて
    旭光(きょくこう)雲を破りて出づる
    その紅の光をあぴて
    気高くも
    そゝり立つなり我が学舎(がくしゃ)

  2. 濃き紫にローレル匂ふ
    床しきかをりに憧れ集ふ
    鳳雛(ほうすう)一度羽ばたかば
    黒雲舞ひて大風を呼ぶ
    雄々しくも
    偉大ならずや我が学徒(がくと)

  3. あかねに映ゆる三層の楼
    夕陽遠く西に沈みて
    夕やみ深く宮居(みやゐ)静かに
    帝塚のほとり静寂こむる
    かすかなり
    入江こぎ行く擢の音

  4. はてなきみ空に輝ける星
    玉露にうつすその聖像(きよかげ)
    ふみてさ迷ふ若人の群
    高鳴る胸を抱きしめつゝ
    たゝずみて
    祈りさゝげん幸あれと

  5. 高き理想の楽園遠く
    真理の殿堂かたく閉しぬ
    あやめもわかぬ人の世の道
    炬火(かがりび)高くふりかざしつゝ
    永へに
    わけてすゝまん神の国