「扶桑樹の下」
      作歌 未  詳
      作曲 荻野 泉(20理乙)


  1. 帝陵山下星移り
    阿倍野ケ原に秋蘭けて
    偃月清き七寮に
    創業の日のめぐりなば
    高き理想を天に説く
    健児の血潮火と燃えん

  2. 大志は高く鴻鵠の
    九天の意気身にひめて
    文武の道につどふ子や
    覇気あふれたり図南城
    世紀を闢く暁鐘に
    進軍の賦を撞きこめむ

  3. 東亜の天地雲荒れて
    虹霓今や跡もなく
    伝統の花咲きみちし
    栄華の伽藍今いづこ
    西溟の波世をおほひ
    たゞ侵略の渦を巻く

  4. 祖国破れて山河ある
    長安城の花薔薇(そうび)
    金色深きバビロンに
    桃源の夢はかなくて
    恒河(こうが)の岸の華胥の花
    また一朝の蜃気楼

  5. 久遠にもゆる生命や
    いま東亜の黎明に
    真理の舞楽奏でつゝ
    若き希望も洋々と
    椽大(てんたい)の筆振リ翳し
    青史の綾に棹(さを)さゝむ

  6. 十善の徳破邪の剣
    咸池の水に身を洗ひ
    陽谷の険きはめつゝ
    扶桑樹のもと燦然と
    神話の園を築くべし
    あゝ往かむかな図南の子