「大高別離の歌」
      作歌 三田英一 (4文甲)
      作曲 永井幸次 (大音校長)
      採譜 荻野 泉 (20理乙)



  1. あゝ落日はあかあかと
    丘にかげりてうつろえば
    (うる)はしかりし若き日の
    返らぬ影を見たるかな

  2. 華やかなりし青春の
    (うたげ)の夢の名残こそ
    人に知られずかの丘に
    熱き涙に葬らん

  3. 光も消えてうすれ陽(び)
    たゞ夕闇のすゝり泣き
    あゝ何時までか手をとりて
    (かたみ)に春をたゝふべき

  4. 三年(みとせ)の秋の歓楽(かんらく)
    見よや尽きせぬ花の床
    匂いゆたけき青春は
    悲歌にまじりて乱舞すよ

  5. 冷たき智慧のみなぎりに
    真昼の夢の褪(あ)せゆけば
    つひに別れの日となりぬ
    あゝ我友よ我が丘よ

  6. 涙拭(ぬぐ)はず頬ふせて
    濃き紫の杯に
    春を惜しみて汲む酒の
    悲しき酔(ゑひ)はさめんとす

  7. 蝋涙(ろうるい)ほのかにしたゝりて
    燃ゆる命をきざむ時
    幸多かりしあこがれの
    丘を去りゆく嘆きかな