「青潮遠き」
      作歌 未 詳
      作曲 池田郁蔵 (9理甲)
      採譜 荻野 泉 (20理乙)



  1. 青潮遠き南欧の
    自由の鐘は高鳴りて
    創造の舞楽喨々と
    弦月洩るゝ聖堂に
    干戈(かんか)乱れて血を呼びぬ

  2. 遊子古柱に憶(おも)ふとき
    成壊(じょうえ)の史(ふみ)に悩みつつ
    彫鏤(ちょうろう)のわざ蕭条と
    (たくみ)の鞭を打ちふりて
    馬上ゆたかに行かん哉

  3. 鼓角の響静まりて
    江上華咲く詩(うた)の珠(たま)
    時劫(じこう)の刻み啾々(しゅうしゅう)
    文人朽ちて苔むせど
    時めく血潮如何にせん

  4. 知勇は凝りて橄欖の
    額を守る白銀ぞ
    征馬の蹄戞々(かつかつ)
    乱雲狂ふ寥廓(りょうかく)
    謳ふは誰か自由の詩

  5. 世界狭しと嘯きつ
    汲む杯に月の影
    陵南の健児凛々と
    踏舞大地の鳴る所
    魔凶蹴散らす鯨波(とき)の声