「第九回記念祭歌」
      作歌 島  稔 (8文乙)
      作曲 金山応外 (9文甲)
      補訂 荻野 泉 (20理乙)


  1. 東の空に生れて
    荘厳の大日輪や
    目路遠く霧うすれゆき
    よろこぴの今日のあさあけ

  2. 思はずや校の生れし日
    九年めぐり来しを
    礎太に成りし今日して
    栄ありし創業偲ばむ

  3. けならべて真日こそ照れ
    秋深み蒼に透く空
    天降る金光色ぞ
    遍しや澪陽の城

  4. 見はるかす秋野の光
    はうばうとさへぎるなきを
    血潮さへ身ぬち沸ちて
    健やかに成育ける吾ら

  5. まかゞよふ落陽たゆたひ
    丘のかげ野にぞ引く時
    心知る友よ手を取り
    しまらくを共に歌はむ

  6. 夕されば風のそよぎの
    ほの熱き頬面をなでて
    久万の空白々と
    薄月ぞさはやかにも

  7. よろこぴの声こそつゞけ
    うばたまの夜のうたげや
    紫の濃き酒盛りし
    高杯を星に翳しつ

  8. 芳醇の匂ひこぼれて
    いざ吾ら三年春秋
    若き日を相ヨルる魂の
    よろこぴを歌ひぞあげむ
    あゝ今や歌ひぞあげむ