「第十九回記念祭歌」
      作歌 白山桂三 (19文甲)
      作曲 大谷恒彦 (19文乙)
      採譜 荻野 泉 (20理乙)


  1. 都の空に七色の
    虹の浮橋消え行きて
    煙は沈み水むせぶ
    錦城楼下の篝火は
    今宵五百の健児等が
    十九の秋の記念祭

  2. 険路(ほぎぢ)を辿る仔羊の
    迷えるさまに似足れども
    知と愛胸の奥に秘め
    芙蓉の雪の跡分けて
    高き真理を究め行く
    男子の意気や壮(さか)んなれ

  3. あゝアルノーに棹さして
    漕ぎ行く三年(みとせ)の秋静か
    流れの永久(とわ)に尽きぬごと
    手に手とり交ふ若き子の
    意気と情を織りなして
    月の桂ぞ紅葉(もみじ)せん

  4. うつろふ色の濃く淡く
    二千六百ひさかたの
    天空高く駈け行くは
    創業の日の夢遙か
    研鑽陶冶(けんさんとうや)の功成りし
    図南(となん)の翼の鳳姿(ほうし)なれ

  5. 我は昨日の我ならず
    異国謳歌の花凋み
    警鐘乱打は世にあれど
    戸迷う民の多けれど
    永久の生命に目覚めたる
    世紀の木鐸なからめや

  6. 時劫の潮に乗出でし
    救世の欲の浄ければ
    カリフォルニヤの荒磯も
    西アルペンの峻嶺も
    乱雲何時か消え去りて
    その春喧(しゅんけん)にうるほはん