「第十八回記念祭歌」
      作歌 松前哲郎 (18文甲)
      作曲 今中正信 (18文乙)


  1. 浅茅(あさじ)ケ原に小夜(さよ)更けて
    流離の雁の渡南せば
    悲愁(ひしゅう)の響若人の
    胸にいたみて帝陵に
    秋はめぐりて十八年

  2. 天地無情は誰か知る
    (ゆう)朔漠の風狂ひ
    雙眸の星地に落ちて
    オーロラの光あけ行けば
    図南の心君は見ん

  3. 帝塚ケ原の秋風の
    有情(うじょう)を吹けば若き日に
    思は遠く先人の
    跡を偲びて汲む酒や
    三秋清き紅葉蔭

  4. (ゆうべ)狭霧の新月に
    銀燭のかげ新生(じょう)
    ほぎ歌はんか我が友よ
    悲歌の声もあと絶えて
    見よやをのこの月火影(つきほかげ)

  5. 今日晩秋の城南に
    自由の子等の情熱は
    燃えて溢るゝ記念祭
    青春の声雲に入り
    君は聞かずや舞楽の音

  6. 秋千山の落葉(らくよう)
    若き血潮のをの子等が
    (ゆう)入相の鐘の音を
    永遠の命と盞(さかづき)
    汲みてふけ行く記念祭