「第十五回記念祭歌」
      作歌 平山 寛 (13理乙)
      作曲 野崎 始 (10理乙)


  1. 星は移りぬ十五年
    拭へど尽きぬ涙もて
    丘を去りにし先人の
    思い残れるオリーブは
    今日憧れの花咲きて
    匂いゆかしくただよひぬ

  2. 帝塚が台の秋の夜半(よは)
    北斗静かに光るとき
    (つるぎ)いだきて丘に立ち
    空行く雁に吟ずれば
    雄心高く溢るれど
    ふるさとの母思ふかな

  3. 永遠(とわ)の真理を求めんと
    若き命をたよりにて
    我さすらひの旅ながら
    しばし仮寝の花の露
    その下露の美酒(うまざけ)
    めぐる三年の秋静か

  4. 我等人生の花ながら
    夕陽薄き丘の上(へ)
    栄枯の繁き人の世の
    辿り行く旅思ふとき
    運命(さだめ)の秘密解けざれば
    淡き愁ひのなからめや

  5. さはれ我友眉上げよ
    富も驕(おごり)も雲の如
    時の嵐に消え行けど
    この帝陵の月影に
    結びは固き友と友
    情けは永遠(とわ)のものなれば

  6. あゝ橄欖の花影に
    今宵祭りの火は燃えて
    三年を契る男の子等は
    同じ思ひに微笑みつ
    歌へば高く月冴えて
    理想の道を照らすかな