「第十四回記念祭歌」
      作歌 道井長夫 (未詳)
      作曲 野崎 始 (10理乙)
      採譜 荻野 泉 (20理乙)


  1. 囂々(ごうごう)の世を下に見て
    先人起(た)ちし岡の上に
    十四の秋は廻り来て
    思ひは新た創業の
    理想の鐘は玲瓏(れいろう)と
    武き心に反響(こだま)すよ

  2. 古城破れて山河あり
    滄桑(そうそう)変転幾たびか
    時移ろひて人は去り
    千早の城に月泣けど
    流れは絶えず六百年
    菊水の水清きかな

  3. 千古に躍る茅海(ぼうかい)の
    水天の際望みつつ
    大野(おおの)に黙(もだ)す図南城(となんじょう)
    不羈特立(ふきとくりつ)の若人の
    南を指して時を待つ
    敢為(かんい)の翼風に鳴る

  4. あゝ浙瀝(せきれき)の秋風や
    帝陵(ていりょう)の辺に咽ぶとき
    悲歌哀吟の声さえて
    祝宴(うたげ)の庭の玉杯(たまづさ)に
    新月寒く青春(はる)の子は
    若き憂愁(うれひ)に嘆くなり

  5. 阿倍野ヶ原に露落ちて
    黒き宝酒は醸されぬ
    いざ来よ、友よ今宵こそ
    高坏翳し若き日の
    焔を掲げよろこびを
    歌ひ讃へむ記念祭