知の本質を探しに。

学ぶということは、自分の知らないことを知るということ。
大阪大学が、江戸時代から貫いてきた学ぶ精神、「知の本質」を
この場所にたどりついた方にお伝えします。

大阪大学の原点

江戸時代から継承する
「適塾」と「懐徳堂」の精神

大阪大学の学問的系譜は江戸時代までさかのぼります。緒方洪庵が創設した「適塾」を前身とし、本学文学部の源流と位置付けられている、大坂の商人により開設された「懐徳堂」の精神を引き継いでいます。緒方洪庵が近代医学を広め、多くの塾生が学んだ「適塾」。そして「懐徳堂」は市民の手から生まれて、市民のために生きるという精神で支えられていました。大阪大学は、自ら学ぶ自由な発想と柔軟な行動から生まれた「フロンティア」 精神が原点となっています。


大阪大学の現在

世界が注目する、最先端の研究

ギネスにも認定された世界初のアンドロイド

自分そっくりの遠隔操作型ロボット「ジェミノイド(双子もどき)」をつくった石黒浩(いしぐろ ひろし)教授。 “何をもって人を人らしいと認識するのか”という視点から、アンドロイドをはじめとする知能ロボットと情報システム環境の研究を行っています。 かつての産業型ロボットの技術を発展させ、日常生活で人と関わりながら、さまざまなサービスを提供するロボットの基礎技術を開発しています。工学と人間を探求する科学の融合。大阪大学では、世界をリードするロボット研究が行われています。

世界中の研究者を驚かせた
「自然免疫」の新たな発見。

新たな免疫の発見をした審良 静男(あきら しずお)教授。免疫とは、細菌やウイルスなどの病原体や異物を体内から排除しようとする体のしくみのことです。免疫の働きは大きく「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類に分けることができます。これまで、哺乳動物における免疫では獲得免疫が主役で、自然免疫は過去の遺産として重要視されてきませんでした。しかし、自然免疫系の細胞が「トル様受容体」を用いて病原体の侵入を感知していることを発見。さらに、この自然免疫系の細胞による病原体認識があって初めて、獲得免疫が活性化されるという知られざる現象を明らかにしたのです。つまり、これまで無視されてきた自然免疫が、じつは哺乳動物においてもきわめて重要な免疫反応を担っているということがわかったのです。 この研究成果によって、従来の免疫理論は大幅な修正を迫られることになりました。それとともに、感染症に対するワクチンや、アレルギー疾患・がんに対する免疫療法の考え方も大きく変化してきています。

人の行動心理にまで迫る新しい経済学。

経済学の研究対象は、一般のイメージよりかなり広いものです。 生活のあらゆる場面を経済学の視点から研究する大竹 文雄(おおたけ ふみお)教授。現実の人間がどのように選択・行動しているのかを、実験やアンケートを使って観察し、分析します。経済学と心理学や社会学を融合させた「行動経済学」という新しい研究領域が、いま注目を集めています。 たとえば、研究テーマの一つである「肥満」の問題について。カロリー摂取量とカロリー消費量の大小関係で決まるもので、これは医学的な問題です。では人々は、どうやって今日のカロリー摂取量を決めているのでしょうか?ここからが経済学の話になります。「将来のために我慢するか、今の楽しみをとるか」というトレードオフに直面しており、将来を重視する人は今の楽しみを我慢し、そうでない人は今の楽しみを重視して太る選択をすることになります。そのうえ、肥満になるとさまざまな病気になる確率が上がり、社会全体の医療費を高めるという可能性もあります。このように考えると、「肥満」が医学的な問題であるだけでなく、経済学の問題だということがわかります。日本のデータを分析し、将来のことを重視しない人ほど肥満になりやすいということを明らかにしました。

大阪大学の独自の教育プログラム

時代を動かす力は、さまざまな視点で対象を見つめる複眼視から生まれます。 従来の博士課程教育では、ある限定された分野において高い専門性を有する人材、エキスパートの養成を主眼において教育がなされてきました。しかし、今日の社会は、個々の専門分野の中で生み出される知識だけでは解決が難しくなってきています。 大阪大学では、深い専門性の追究により物事の本質を見極める方法論を修得するとともに、一芸で極めた技を百芸に適用できるような汎用的能力を身につけて、グローバル社会で活躍する人材を送りだすことを目指しています。

学生の自主性を。可能性を。

学部学生が自主的に行う、独創的かつ意欲的な研究を奨励することを目的とし、「課外研究奨励費」や「大阪大学未来基金」などの補助金制度を積極的に設けています。これもやはり、原点である自ら学ぶ姿勢、フロンティア精神をひきついだものに他なりません。

新たな自分を見つけ出す。

キャンパスライフとは、自分自身を学ぶ旅のようなものでもあります。学問以外にも、自分を知る機会はたくさんあります。人生のなかで、二度とない貴重なキャンパスライフで、多くの人間関係を築き、語り、まだ見ぬ自分を見出してほしいと思います。そうした、自由な校風を貫く大阪大学では、幅広い視野を持ち、物事の本質を見極める時代を切り開く担い手へとして、多くの人材が大阪大学から巣立っています。

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