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ダイキン工業株式会社 「人」と「空気」にこだわり   技術革新に挑み続ける

省エネを建物から実現将来はゼロ・エネルギーに

約700人の研究技術者が集うTICは、オフィスと実験棟を合わせ延べ床面積約5万平方㍍。フラットな屋上一面に設置された300㌔㍗分の太陽光パネルが、環境に配慮した建物設計のコンセプトを象徴している。自然光を取り入れるトップライト、フッ素の遮熱塗料、吹き抜け構造による自然換気システム、地中熱利用など、建物全体に省エネの工夫が行き渡る。一般のオフィスビルに比べ70%の省エネを達成、将来的には100%を目指している。

「OUT+V」の熊谷七瀬さん(外国語学部2年)と下田啓太さん(基礎工学部2年)を迎えたのは、河原克己TIC副センター長。大阪大学工学部出身の先輩だ。「TICは、ユニークな技術をもつ国内外の企業や大学との連携・提携による『協創』イノベーションの実現を目指しています。ここは、世界の人、情報、技術を呼び込む共同研究の場所であると同時に、ビル全体がゼロ・エネルギーで動くことを目指す実験装置でもあるのです」

白い空間「電波暗室」

さっそく建物内の見学に向かった2人。まずは、壁や天井が発泡スチロールの凸凹状の物体で覆われた「電波暗室」へ。「ここは空調機から出る電磁波(ノイズ)を測定するところです。外部からの電磁波を防ぐ一方、室内で発生する電磁波も壁や底面の特殊材料が吸収する構造になっています。室内機と床下空間の室外機を接続し、同時に運転しながら電磁波を計測できるところが、世界トップレベルの実験設備と言えます」。製品となる空調機の電磁波を正確に拾って測定することで、世界市場の規制に対応しながらも、スピーディーな開発につなげられるという。

温度・湿度を自由に変化させ、さまざまな室内環境を作り出せる「人工気候室」では、「人に見立てた特製の人形を使って、28か所の体表温度を計測しながら、人が快適に過ごせる製品づくりに向け実験が行われています」と説明を受けた。

働く人に配慮した快適な省エネオフィス

オフィス棟4、5階の執務エリアは、3方向が窓の明るいフロアが広がる。中央吹き抜け部分の中間階に、オープンなミーティングスペース「ワイガヤステージ」があり、オフィス内の誰もが議論を見聞きし参加できる。ほかにも、すぐに打ち合わせができるテーブルを随所に配置している。

社内の空調には、省エネを追求するZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)ビル用マルチエアコンや、温度と湿度を個別にコントロールするダイキン工業独自のDESICAシステムなどを導入。熊谷さんは「こんな職場で仕事ができたらいいですね」。下田さんは「建物自体が研究の場であると同時に、働く人の立場をしっかり考えているのですね」と感心した様子だった。

 

 

大学サテライトオフィスも完備

大阪市街や生駒の山並みが見渡せる6階。「開放感いっぱいのテラスでは、朝は体操を楽しむ従業員の姿も見られます」と河原さん。「フェロー室」と名付けられた7部屋は、国内外の大学や各界のオピニオンリーダーらが使える執務スペース、また産学連携のサテライトオフィスとして稼働する。企業が自社の建物内に大学のためのサテライトオフィス開設するのは極めて珍しい。大阪大学も、4月からサテライトオフィスを利用し、「協創」に参画する。

訪問を終えた熊谷さんは、「快適な仕事ができる空調の工夫など、人を大切にするという企業理念がそのまま体現された職場で驚きました」と話していた。

INTERVIEW - 先輩に聞く

「自分らしく働ける環境が魅力」

─どんな仕事をされているのですか? 

中瀬 空調機開発に使用するシミュレーターの研究・開発をしています。直接製品を作るわけではありませんが、シミュレーションの感想や問題点を教えてもらうなど、人とのつながりの中で仕事を進めるのが楽しいです。また、入社1年目で、中国に滞在し実験する仕事を任された時は、失敗もたくさんして大変でしたが、一から自分でやり遂げた達成感がありました。

日角 建物の中でいろいろな空調機を組み合わせ、少ないエネルギーで快適な空間を作り出すための研究をしています。例えば、同じ建物でも学校や老人ホーム、オフィスなど用途で空調は違いますので、利用者や部屋に合わせた空調システムを考え提案します。分からないことは聞き、周りの人にサポートしてもらいながらも、自分で考え、自由度の高い環境で仕事ができるところがダイキンの魅力です。

─ダイキンに入社された動機は?

日角 私はみんなでチームになり、一つのいいものを作り上げようという環境の会社を探していました。フランクで親しみやすい人が多いと感じたこの会社でなら、10年、20年後も自分らしさを大事にしながらやっていけると思い、決めました。

中瀬 空調機、エアコンは生活に身近な必需品なので、世界中のあらゆるところで売られています。自分が開発した製品が世界中の人に使ってもらえるという点に魅力を感じました。また、ダイキンでは、自分の得意分野を生かした仕事をしていて、この会社なら自分らしく働けるのではないかと思い入社しました。

─どんな大学生活を送りましたか?

日角 工学部で機械の勉強をしていました。周りがほとんど男子なので、女子だけのフットサルサークルに入っていました。

中瀬 自由な時間は今しかないと、勉強のほかにアルバイトやサークル活動、海外旅行などいろいろな経験をしました。サークルはバドミントン。大学に入ってから始めたスポーツで、新しいことに取り組めて楽しかったです。

─後輩へのメッセージをお願いします。

中瀬 大学生活は貴重な4年間。やりたいと思ったことは必ずチャレンジしてください。やり遂げるプロセス、頑張った経験は社会人になった時に必ず役立ちます。

日角 大学は一歩踏み出せばいろいろな世界が広がっています。二歩も三歩も踏み出してほしい。その経験自体が、将来きっとフットワークの軽さやモチベーションにつながります。

 

■ダイキン工業株式会社
(本社・大阪市北区中崎西2-4-12) 

1924年大阪金属工業所として創業、34年株式会社設立。飛行機用ラジエーターチューブの生産に始まり、35年にフロン生産に成功。51年日本初のパッケージ型エアコン開発。63年社名をダイキン工業に改名。99年世界初の加湿機能搭載エアコン「うるるとさらら」発売。空調事業を中心にグループ会社は国内28社、海外145か国182社。2016年4月大阪大学ダイキン協働研究所を大阪大学テクノアライアンス棟内に設置予定。大阪大学卒業生は約380名。

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