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アサヒビール株式会社—最新技術と人間の感覚で品質保持

まるでジェットコースター

 ns58_vi01_img06.jpgJR吹田駅のすぐ横に、広大な敷地が広がる。大型トラックが頻繁に行き来するゲートから少し脇に入ったところにあるゲストハウス入り口には、120年以上前に建造されたレンガの壁面が残る。それに触った福満さんは「繊細な感じで気持ちいい」と初取材の第一声。場内は、理学研究科生物科学専攻を卒業して入社2年目の醸造部、菅沼惇哉さんが案内してくれた。

ビール作りの工程を巡りながら、福満さんは麦芽展示コーナーで早速、好奇心発揮。口に入れて、「ヒマワリの種みたい。おいしい」と笑顔。未成年の福満さんは、これが初めて接する〝ビールの味〟となった。

ベルトコンベヤー上で1分間に600本が瓶詰めされる工程を見た福満さんと吉山さんはその迫力に圧倒。体育館よりも広い場内を瓶が流れるように進んでゆく。「まるでジェットコースターみたい!」。缶ビールの作業工程はもっと速く1分間に1500本。工場全体で缶ビールに換算して1日340万本を製造していると聞いた2人は、目を丸くした。

圧巻。巨大なタンク上に立った

 ns58_vi01_img03.jpg場内を巡っていると、窓越しに屋外発酵熟成タンク140本が並ぶ壮大な眺望が広がる。麦芽から作った麦汁にホップを加え、ここでビールに育てていくのだ。直径7㍍、高さ23㍍、容量500㌔㍑。ビール市場価格にしてタンク一本あたり約3億円弱とか。高さをリポートしていた福満さんに、菅沼さんが「あとであのタンクの上を歩いてみましょうか」とニヤリ。一部の技術職以外、社員でもほとんどできない経験で、今回、特別に見学させてもらった。

エレベーターで、建物5階分くらいの高さに上がる。タンクを結ぶ通路は編み目状の金属製で、真下が見える。「怖〜い」と神妙だった福満さんも徐々に慣れ、「ビールの香りが漂ってきます」などコメントを繰り出し、吉山さんのカメラにもにっこりとポーズを取った。

最後の検査は「人間の感覚」で

完ぺきな安全性、品質を保つための管理体制もしっかり取材。最先端技術によるチェックだけでなく、人間の感覚を重視する「官能検査」が毎日実施される。味、のどごし、香り、泡立ちなどを、スタッフが確認する。菅沼さんは、この検査に携わる「パネリスト」という資格を努力の末に取得した。「ベテランになると、どの工場で作られたかも飲み分けるんですよ」と、その奥深さを語った。そして、「検査では瓶1本分くらいは飲むので、終業間際の夕方に実施します」

学生生活を有意義に過ごさないと

カメラ越しに企業の一線をのぞいた吉山さんは「身近な商品がどのように作られているのか、五感で認識できた。菅沼さんは私と同じ20代だけれど、『社会人は学生とこんなにちがうのか』ということも実感。働くとはどういうことか、この経験を自分に刻み込んでおきたい」と大きな収穫。福満さんも「就職までまだまだと思っていたけれど、決して遠くない。学生生活を有意義に過ごさなければ」と、心を引き締めた。

 

先輩に聞く
失敗乗り越えた自信が今生きる

ns58_vi01_img04.jpg─働くことの苦労と魅力を教えてください。

研究所で新製品が開発されても、大きなスケールで作る工場で同じ物を再現するのに苦労します。でも、それをやり遂げる達成感を味わえます。人々が心を和ませることができるお酒を作っているという喜びも感じています。

─学生時代に得たもの、大阪大学の良さは?

専門の勉強も大事ですが、阪大ではいろんなジャンルの授業も受けることができて視野が広がったし、さまざまな出会いもありました。2カ月もの休みは学生の特権だから、いろんなことをしてほしい。スケジュールを何も決めずに2週間、海外に滞在した時にはトラブルもありましたが、そんな経験が動じない精神力を培ってくれました。研究室では自分で計画を立てて結果を出さなければならないけれど、途中で失敗ばかり。でもそんな時、先生や先輩と議論しながら乗り越えてきた自信が、今に生きています。

─就職活動中の学生に助言をお願いします。

まず、自分が何をしたいのかを見つめ、将来への興味と照らし合わせながら業種を考えてほしい。初めから分野を限定せずに、いろんな人と会ってみるのもいい。そして疲れた時は、友達とお酒でも飲みながら息抜きをすることも大事です。もちろん、お酒は20歳を過ぎてからですよ。ns58_vi01_img05.jpg

 

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