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第6回(平成27年度) 日本学術振興会育志賞  阪大生2名が受賞

鉄製武器の形態的特徴や製作技術、分布などから、大和政権の成立過程を実証的に解明する研究を進めるライアンさん。考古学のフィールド調査や出土品の整理作業などで忙しい日々を過ごす。「文献に止まらず、日本各地の遺跡や博物館などに足を運び、『自分の目で確かめる』ことを大事にしています」と話す。

ライアンさんは、理論先行型の海外の考古学研究に比べ、精緻な研究法や世界に類を見ない充実した考古資料に裏付けられた日本の実証研究に惹かれた。だが、英語の情報が少なく、日本の状況を実地で学ぶ必要性を感じ、来日した。

米国出身のライアンさんにとって、日本語文献による研究は苦労も多かった。しかし、「海外でどのような資料が求められ、どうまとめたら役立つか、という視点を持っていることが自分の強み。海外と日本の架け橋になりたい」と熱く語る。「海外では十分注目されてこなかった日本考古学の研究成果を、理論応用できる形で国際発信し、世界の古代国家形成論研究に活かす必要性を感じています」

「受賞は、研究実績への評価というより、将来の可能性に対して叱咤激励をいただいたものだと思います。肝に銘じて、より一層研究に励みたい」と決意を新たにした。

一方、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病などの神経変性疾患の発症の鍵を握る蛋白質の機能を解明した余越さんは、「操作が煩雑で技術的に難易度が高く、世界でも限られた研究室のみで実施されている手法を2年もの試行錯誤の末、確立しました。周りに経験者がいなかったため、細かい技術的なコツなどが分からず、途中で諦めかけたこともありましたが、指導教員の河原行郎教授や研究室の先輩からも手厚いご指導を賜り、神経難病の病態メカニズムに大きく迫る研究ができました」と振り返る。

秋篠宮両殿下がご臨席された授賞式は、「両殿下が受賞者1人1人しっかり目を見てお話くださっただけでなく、研究内容も詳しくご存知で、感銘を受けました。ただただ光栄で感無量です。今後も日本のために働きたいと気持ちを新たにしました」

今後については、「神経変性疾患の新しい研究領域を牽引し、難病解明、治療法へとつなげていきたい。“研究のいろは”だけでなく、大学院教育についての姿勢・考え方も学ばせていただいた、河原教授のようになることが目標です」と夢を語る。

 

ライアン ジョセフさん(写真 左)─Joseph Ryan
●文学研究科文化形態論専攻博士課程1年(受賞時)
鉄製武器の生産と流通からみた日本古代国家形成過程の考古学的研究

余越 萌さん(写真 右)─Moe Yokoshi
●医学系研究科医学専攻博士課程3年(受賞時)
 神経変性疾患発症に関与するAtaxin-2のRNA代謝における機能解明

育志賞
天皇陛下の御即位20年にあたり、社会的に厳しい経済環境の中で、勉学や研究に励んでいる若手研究者を支援・奨励するための事業の資として、陛下から御下賜金を賜り創設された。

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