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中尾 薫 文学研究科文化表現論専攻 准教授

5歳の頃、両親に連れられて見た戯曲「夕鶴」。「鶴になって飛んでいく妻に向かって、夫が観客席後方へ『お〜い』と叫ぶ場面で、私も含めて観客が思わず後ろを振り返りました。実際には鶴はいないのにそれを想像させる演劇ってすごいと思いました」。中学の文化祭で主役を演じ、大学時代は市民劇団に参加するなど芝居に熱中。舞台の仕事に就きたいと演者になることも考えたが、演劇を深く研究したいという思いが強くなり研究者の道を選んだ。「能は歴史が長くわからないことが多い。それまで縁がなかった世界だからこそ、一生かけて研究する価値がある」と能楽をテーマに選んだ。

「能役者が約2時間の公演中ずっと全身の筋力を緩めず集中力を保っているのに驚き感激しました」。五つの流派のうち四つは奈良が発祥。豊臣秀吉が演じるなど関西は能楽にゆかりが深く、能楽堂がたくさんある。「豪商や企業人が自ら習ったり、役者を支援していた時代もありました。現代も能楽をはじめ、さまざまな文化に興味を持ってもらえたら関西がもっと活性化すると思います」

趣味は「名探偵ポワロ」シリーズなど推理ドラマを見ることで、「謎解きの楽しさが研究と共通しているのかも」。また、「ふなっしー」のファンで研究室にはたくさんのグッズがある。「美貌を仮面で隠す『蘭陵王』という雅楽にどこか似ている」とユニークな視点で分析する。「時間があると能を見に行くほど好きだから、研究が続けられています」と充実した日々を笑顔で語った。

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