平野プラン2011 (2011年8月26日)


22世紀にも輝きつづける基盤を創る

 

1)基本的な考え方

 

・創立80周年の標語として掲げられた「原点へ・未来へ」を旨とし、また「継承的創業」の精神に立って、いま一度大阪大学創立の原点に立ち返り、22世紀においても輝き続ける大阪大学の基盤を構築する。

 

・「大学は学問と教育の府である」という理念のもと、「地域に生き世界に伸びる」をモットーに、「大阪大学を学問の世界的拠点とするとともに、世界をリードする高い倫理観を有した優れた人材を育成する」という揺るぎない志をもってことに当たる。またわが国の教育や学術のあるべき姿を、積極的に国や社会に提言し、人類の発展と福祉に貢献する。

 

・大学は学生・教職員・事務職員など、一人一人の構成員が基本である。個々の構成員が各教育研究組織を形成し、そうした研究組織が大学を構成する。大阪大学が溌剌と活動し、さらなる発展を遂げるために、文系、理系を問わず、各構成員やその教育研究組織が、それぞれの独自性を最大限に発揮できる環境を整えることが最も重要である。また優秀な人材が国内外から大阪大学に結集するための環境を整備する。

 

・各構成員や教育研究組織の意見を尊重するとともに、情報の共有によって透明性の高い運営を基本とする。

 
2)教育・研究

 

・「国家100年の計は教育にあり」と言われるとおり、わが国の将来は一にかかって人材育成にある。またわが国が存続して行くためには、科学・技術の振興が不可欠であることは言を俟たない。大学は、将来各方面で指導的立場に立ち、人類の福祉と繁栄に寄与できる次代の優秀な人材を育て、彼らを世に送り出すという使命を担う。大阪大学は引き続きこの高等教育機関としての使命を推進していかねばならない。また、学術の振興なくして革新的な技術開発や、心豊かで平和な社会の発展はありえず、その社会が大学に求めているところは、知的創造活動としての学術研究や大学にあってのみ為し得る長期的視野に立った技術開発の推進である。今まで以上に大阪大学は人文科学から自然科学に亙るこれらの学術研究や革新的技術開発の推進に力を注がねばならない。また、大学でしか出来ない基礎的学術研究、学問的香りのある教育を推進していく。応用的研究や産学連携は、その上でこそより高い次元で実りあるものとなる。

 

・大阪大学を世界最高水準の大学にする。そのために多様性を有する各研究組織の独自性を重んずるとともに、大阪大学の特色をさらに推進する。また工学、医・歯・薬学、経済学、法学はじめとする応用的学問から、文学、哲学、言語研究等の人文科学や、数学、物理学、化学、生物学をはじめとする自然科学といった基礎的学問のそれぞれの特性を重んじ、文系、理系ともに幅広く、その発展を推進して行く。大学がどれほど基礎的学術研究を行なっているかは、大学の底力に反映されると考えている。以上のような考え方で、大阪大学が、流行に流されることなく永続性を有し、かつ卓越した“学問の府”であり続ける基盤を確立する。研究組織がそれぞれの独自性を発揮し、各分野で世界トップをめざすことが基本である。本当に意味のある異分野融合による新しい研究分野の創造はそのことによって可能となる。

 

・大阪大学は世界の国々の文化を理解し、世界をリードできる高い倫理観を有した国際人(研究者、技術者、教育者、高度専門職業人、文化人)の育つ場とする。教員や学生を外国から積極的に受け入れ、大学のキャンパスの真の国際化をはかる。英語のみならず、多様な言語学習環境の整備充実に加え、留学生の日本語教育の学習環境の整備、各種制度の見直しを行う。

 

・わが国の教育や学術・文化振興に関する方針を単に受け入れるだけではなく、大学は “学問と教育の府である”という自覚に立ち、国や社会に、学術や教育のあるべき姿を主張するとともに、その振興策をこれまで以上に責任をもって積極的に発信していく。

 

3)大学運営

 

・大学の活動性はそれを構成する人にある。いかなる組織においても、構成員が優秀でなければ、組織の発展は望めない。また総合大学としての活動は、それを構成する各教育研究組織に依存する。人が教育研究組織を構成し、教育研究組織が大学を構成する。この考えに立ち、一人でも多くの優秀な人材を国内外から大阪大学に集める努力と、そのための環境整備や制度の改革を進める。大学留保ポストも大学の理念実現のために最も効果的な配分にする。

 

・大学執行部と教育研究組織の連携強化:大学としての理念実現のため、企画力、実行力の強化をめざし、執行部体制の再構築をおこなう。執行部は将来的な方向性や大学全体の共通の問題に責任を持って取り組み、各教育研究組織は組織の独自性を最大限発揮できるような体制を確立する。そのためには情報の共有がきわめて重要であり、何事にも透明性の高い運営を旨とする。また常に個々の構成員や教育研究組織の意見を徴して大局的な観点からの運営をめざす。

 

・大学の理念実現に向けての財務基盤の構築:財務基盤を点検し、今後予想されるであろう、国からの交付金の削減に耐えることのできる永続性のある財務基盤を確立する。そのため、比較的安定的な収入が見込まれる運営費交付金などの安定的財源を基盤とした健全な運営の可能な体制の構築をめざす。その上で流動性の高い財源は、主として大学の理念実現につながる施策に配分する。また、外部資金を獲得するためいっそうの努力を行なうとともに、それを支援するためのより効率的な体制を整える。

 

・大学の理念実現を強力に支援する事務機構の確立:事務機構の任務は上に述べた大学の理念を実現することにある。このためには事務機構のより望ましい形あり方を再度検討し、大学の理念実現をいっそう強力に支援できる事務機構の確立をめざす。事務職員と教職員が一体となり大学の理念の追求を可能とする事務機構を確立する。

 

 

まとめ

 

 大学の本来の使命を果たすことが重要であり、大学でしか出来ない基礎的学術研究や学問的香りのある教育を推進して行くことが重要である。このことにより大学は社会に貢献することができる。受け身ではなく、国や社会に対して、学術や教育のあり方を積極的に提言して行くことが大学の務めである。また大学の個々の構成員が、溌剌と自由に活動できること、同様に多様性を有するすべての教育研究組織が独自性を発揮出来ることが大学発展の根本である。大学の使命を果たすために、執行部、事務機構、教育研究組織、それぞれの構成員全員の英知と力を合わせて取り組んで行かなければならない。そして大阪大学が世界トップクラスの大学として21世紀はもちろん、22世紀においても輝き続ける基盤を構成員全員で確立して行く必要がある。

 

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